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YouMaySayImaDreamerButImnotTheOnlyOneさんの公開日記
12月23日
20:04
去年のクリスマスは、とてもつらかった。


家族も親友も、はるか遠い故郷のフロリダにいた。

私は一人、寒いカリフォルニアで働き続け、体調もくずしていた。


私の職場は、航空会社のチケットカウンター。

その日はクリスマス・イブ。


私は昼夜のダブルシフトぶっとおしで勤務していたが、夜も9時をまわり、内心みじめでならなかった。


当番のスタッフは2、3人いたものの、乗客の姿はまばらだった。


「つぎのお客さま、どうぞ」カウンターごしに声をかけると、柔和な顔をした老人が杖をついて立っているのが見えた。

老人はそろりそろりとカウンターまで歩いてくると、

聞きとれないほどの小声でニューオリンズまで行きたいと言った。


「今夜は、もうそっちへ行く便がありません。

明日までお待ちいただくことになりますが」

と言うと、その老人はとても不安げな顔になった。

「予約はしてあるのですか」「いつ出発のご予定だったのですか」などと聞いてみたが、

聞けば聞くほどいよいよ困った様子で、ひたすら「ニューオリンズに行けって言われたから」と繰り返すばかり。

そのうち、いつくかのことがわかってきた。

老人はクリスマス・イブだというのに、義理の妹に

「身内のいるニューオリンズに行きなさい」と車に乗せられ、この空港の前で降ろされたらしい。

彼女は老人に現金をいくらか持たせ、「中へ行ってこれで切符を買いなさい」と言って立ち去ったのだ。


私が「明日もういちど来ていただけますか」と聞くと、

「妹はもう帰ってしまったし、今晩泊まる所もない。

このまま、ここで待つことにします」と言った。

これを聞いて、私は自分が恥ずかしくなった。


私はクリスマスの夜に一人ぼっちのわが身を憐れんでいた。

でも、クラレンス・マクドナルドという名の天の使者が、こうして私のもとにつかわされ、

一人ぼっちとはどういうことか、本当の孤独とはどんなものかを教えてくれている。

私の胸は痛んだ。


私はただちに「ご安心ください。万事うまくやってあげますからね」と彼に伝え、

顧客サービス係に明朝一番の便を予約してもらった。


航空運賃も年金受給者用の特別割引にし、差額は旅費の足しにしてあげることができた。

一方、老人はくたびれ果てて立っているのもつらそうだ。


「だいじょうぶですか」とカウンターの向こうに回ってみると、片脚に包帯を巻いている。

こんな脚で、衣類をぎっしりつめこんだ買い物袋を下げて、ずっと立ちつくしていたのだ。

私は車椅子を手配し、みんなで老人をその車椅子に座らせたが、見ると脚の包帯に少し血がにじんでいる。

「痛いですか」と聞くと、老人は「心臓のバイパス手術をしたばかりでね。

そのために必要な動脈を脚からとったんだよ」


なんということだ!

老人は心臓のバイパス手術を受けたばかりの身体で、

ニューオリンズ行きの切符を買えと路上に放り出されたのだ。

付き添いもなく、たった一人で!


こんな状況に出くわしたのは初めてだった。

何をしてあげたらいいのだろう。

私は上司の部屋に行き、どこかに老人を泊めてあげてほしいと相談した。

上司はすぐさま、ホテル一泊の宿泊券と、夕食と朝食の食事券を出してくれた。

カウンターにもどった私は、ポーターにチップをわたして、

「この方を階下までお連れして、シャトルバスに乗せてあげて」とたのんだ。


車椅子の彼のうえに身をかがめて、ホテルのこと、食事のこと、旅の段取りをいまいちど説明しながら、

彼の腕をとんとんと叩いて励ました。


「すべてうまくいきますからね」


いざ出ていく段になると、老人は「ありがとう」と頭を下げて、泣きだした。


私ももらい泣きしてしまった。


あとになって、上司の部屋に礼を言いに戻ると、

彼女はほほ笑んで言った。


「いいわねえ、こういう話。

その人は、あなたのためにやってきたクリスマスの使者だったのよ」


〜〜〜

出典

[心のチキンスープ7]

ジャック・キャンフィールド他著

ダイヤモンド社

p4 より
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